Article 2024/8/17
【PCE】ビクトリーラン
【PCE】ビクトリーラン
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『ビクトリーラン』は、1987年12月28日にハドソンから発売されたPCエンジン用レースゲームで、サブタイトルは「栄光の13,000キロ」。ダカール・ラリーをモチーフにした、PCエンジン初の本格ラリーレース作品である。
本作は、PCエンジンの性能をアピールする“デモンストレーション的タイトル”として開発されており、当時のファミコンでは難しかった高速スクロール、起伏のある地形、時間帯の変化(朝・昼・夕方・夜)などを実現。発売当時は「ファミコンとの性能差が一目で分かるゲーム」として話題になった。
ゲームは全8つのスペシャルステージ(SS)を走破する構成で、各ステージには「規定タイム」と「許容タイム(持ち時間)」が設定されている。規定タイムより早くゴールすれば持ち時間が増え、遅れると減少。持ち時間が0になるとゲームオーバーとなる。序盤でタイムを稼ぎ、後半の難関ステージに備える戦略が重要となる。
プレイヤーカーはポルシェ959風の4速MT車で、最高速度は239km/h。走行中はタイヤ・ギア・エンジン・サスペンション・ブレーキの5つのパーツが消耗し、性能が低下していく。ステージ間でパーツを交換できるが、ゲーム開始時に割り振った“20ポイント”の範囲でしか交換できないため、どのパーツを優先するかが攻略の鍵となる。
コースは舗装路・砂漠・ブッシュ(草原)の3種類。砂漠は特に難易度が高く、ステージ5では1速20km/h以上で走るとスタックするという厳しい仕様がある。ブッシュは障害物が多く、最難関ステージとして知られている。
本作はPCエンジンの性能を活かしたスピード感とグラフィックが高く評価される一方、難易度の高さは“鬼畜”と評されるほどで、規定タイムが非常にシビアなため、1〜2回のクラッシュでほぼ挽回不能になることも多い。これが原因で“名作になり損ねた作品”とも言われている。
総じて、『ビクトリーラン』は、PCエンジン黎明期を象徴する技術デモ的レースゲームであり、当時としては圧倒的なスピード感と表現力を誇る一方、極端な難易度がプレイヤーを選ぶ一本である。ラリー特有の“パーツ管理”と“走りの丁寧さ”が要求される、硬派なレースゲームとして今なお語り継がれている。