『森田将棋』は、コンピュータ将棋の黎明期から続く名門シリーズの集大成とも言える本格的将棋シミュレーションゲーム。2000年03月04日に悠紀エンタープライズからプレイステーション2で発売されました。本作は、PS2本体と同時に発売されたローンチタイトルの一つであり、当時の家庭用ゲーム機としては破格の演算能力を駆使して、思考速度の大幅な短縮と棋力の向上を実現しています。画面構成も進化し、美しい木目の盤や駒を3Dグラフィックで描画することで、実戦さながらの落ち着いた雰囲気の中で対局に没頭できる環境を整えました。

ゲームシステムは、定評のある「森田思考ルーチン」を核とした対局モードをメインに据えています。駒落ちや持ち時間の設定はもちろん、プレイヤーの棋力に合わせてコンピュータの強さを調整できるため、初心者から有段者まで幅広い層が楽しめます。また、対局だけでなく「詰将棋」モードも充実しており、プレイヤーが作成した問題をコンピュータに解かせることや、収録された難問に挑戦することが可能です。4000局以上の棋譜を保存・管理できるデータベース機能も搭載しており、自分の対局を振り返って研究するツールとしても高い実用性を誇ります。

本作の最大の特徴は、対局を重ねるごとにAIが進化する「学習機能」と、画期的な詰将棋アルゴリズム「PN法(Proof Number Search)」の導入です。学習機能により、プレイヤーが多用する戦法をコンピュータが記憶・分析し、同じ手筋が通用しなくなるような対応を見せるため、常に新鮮な緊張感を持って勝負することができます。また、PN法の実装によって詰みの発見能力が飛躍的に向上しており、複雑な局面における終盤力は当時の将棋ソフトの中でも群を抜く完成度を誇りました。

本作の開発・発売元である悠紀エンタープライズは、伝説的なプログラマー森田和郎氏が率いた会社です。森田氏はコンピュータ将棋のパイオニアであり、そのアルゴリズムは現在の最強将棋AIの基礎の一部ともなっています。将棋の奥深さに触れ、より強くなりたいと感じた方は、羽生善治氏などのプロ棋士が執筆した戦術書や、定跡を解説した入門書を読むことで、盤上の景色がより鮮明に見えてくるはずです。

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