『逢魔時〜怪談ロマンス〜』は、昼は人間の学校、夕方からは妖怪の学校という二つの顔を持つ学び舎を舞台に、種族を超えた恋と怪異を描く和風ファンタジー・恋愛アドベンチャーゲーム。2012年03月29日にQuinRoseからPlayStation Portableで発売されました。本作は「怪談ロマンス」シリーズの第1作目にあたり、後に続編『黄昏時〜怪談ロマンス〜』も発売されています。主人公の涼江静(名前変更可能)は、人間と「磯姫」のハーフであり、昼間は人間のフリをして授業を受け、夕方の「逢魔時」以降は本来の妖怪の姿で妖怪クラスに通うという、二重生活を送っています。
ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなノベル形式で進行します。物語は、人間と妖怪が共存しつつも互いに干渉しないように暮らす独特の社会設定の上で展開されます。天狗や妖狐、猫又といった妖怪たちがクラスメートや教師として登場し、主人公は彼らとの交流を通じて、種族間の確執や、各々が抱える「妖怪ゆえの業」や孤独に向き合うことになります。
本作は、QuinRose作品特有のシニカルで毒を含んだテキストと、和風の耽美な世界観が特徴です。登場する妖怪たちは美しい姿をしていますが、人間とは異なる冷徹な倫理観や執着心を持っており、甘い恋愛描写の中にも常に死や狂気が見え隠れする緊張感が漂っています。豪華声優陣によるフルボイス演出が、ミステリアスで妖艶な物語を彩り、ハッピーエンドだけでなく、バッドエンドを含めた多様な結末が用意されています。
開発元のQuinRose(クインロゼ)は、童話や怪談をダークファンタジーとして再構築する作風で支持を集めたブランドです。本作は「学校の怪談」や日本の妖怪伝承をモチーフにしています。古来より伝わる妖怪たちの性質や、「逢魔時(おうまがとき)」という言葉の意味に興味を持った方は、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』や、民俗学の入門書などを参照することで、キャラクターの背景にある伝承をより深く理解することができます。
画図百鬼夜行 (角川ソフィア文庫)
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