『テクモスーパーベースボール』は、1994年10月28日にテクモからスーパーファミコン向けに発売された、MLB(メジャーリーグベースボール)を題材とした野球ゲームです。日本国内で発売されたMLB実名選手登場のゲームとしては、当時としては非常に珍しく、全28球団・約700名の選手が実名で登場する点が大きな特徴でした。

ただし、選手の肖像権は取得していたものの、球団との契約はなかったため、チーム名は「ボストン」「デトロイト」など都市名表記にとどまり、公式ロゴやユニフォームは登場しません。それでも、選手の成績や能力が詳細にデータベース化されており、資料的価値の高い作品といえます。

ゲームモードは「PRESEASON(オープン戦)」「SEASON GAME(CPU専用ペナント)」「SUPER STARS(オールスター戦)」などが用意されており、試合のほとんどをCPUに任せたり、スキップすることも可能です2。操作面では、守備時に視点が切り替わる独特のカメラワークが採用されており、慣れるまではボールの位置が把握しづらいという声もあります。

当時のMLB(1994年)は、シーズン途中で選手会によるストライキが発生し、ワールドシリーズが中止されるという異例の年でした。そのため、ゲーム内のデータはストライキ前の成績をベースにしていると考えられます。