『三國志III』は、コーエー(現コーエーテクモゲームス)から発売された歴史シミュレーションゲームです。中国の歴史小説『三国志演義』を題材としており、プレイヤーは三国時代の君主となり、中国全土の統一を目指します。
本作では、ゲームの目的が国の支配から都市の支配へと変更され、古代中国の主要な都市をすべて支配することでクリアとなります。最大8人までのマルチプレイが可能になったほか、全ての君主をプレイヤーが選択できるようになりました。家臣である武将に身分を決定できるシステムも導入されています。
武将の能力値は「知力」「政治」「武力」「陸指」「水指」など細分化され、より詳細な育成や戦略立案が可能になりました。登場武将数は531人(イベントで武将として登場する貂蝉を含めると532人)にのぼり、新君主と配下の新武将を登場させることもできます。
戦略フェイズでは、出せる命令が細分化され、内政や人事などのコマンドの成果は、決定した期間が終了した時に報告されるようになりました。戦闘面では、侵略した都市において市街戦が展開されるほか、攻撃側と防御側の境界線上に戦場が存在し、防御側が迎撃に出た場合は野戦も発生します。一騎討ちが通常コマンドの一つとして用意され、計略関係では「落とし穴」「偽伝」「同士討ち」などの新たな要素が追加されました。武将には「軍師」「将軍」「武官」「文官」といった身分が導入され、より戦略的な運用が求められます。
音楽は向谷実氏が担当しています。
『三國志III』は、PC-9801版が1992年2月5日に、スーパーファミコン版が1992年11月8日に発売されました。その後、メガドライブ、メガCD、PCエンジンSUPER CD-ROM2、PlayStation、PC/AT互換機、携帯電話、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DSなど、様々なプラットフォームに移植されています。
ゲーム開始時に選択できるシナリオは以下の通りです。
- 霊帝没し董卓の暴政極まる(反董卓連合軍の結成) 189年
- 天下乱れ群雄全土に割拠す(群雄割拠、乱世再び) 194年
- 劉備雌伏し、新野に借城す(曹孟徳、覇道を往く) 201年
- 臥龍中原に舞い天下を望む(知謀の人、諸葛孔明) 208年
- 孫権独立し三国の鼎立成る(劉玄徳、蜀漢を建国) 221年
- 姜維、亡き孔明の志を継ぐ(三国鼎立崩壊の予兆) 235年
- 黄巾興りて英雄青雲を抱く(黄巾の乱) 184年
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