1994年11月25日にチュンソフトから発売されたスーパーファミコン用ソフト『かまいたちの夜』は、同社の『弟切草』に続くサウンドノベルシリーズの第2弾として登場しました。本作は、グラフィック上に直接文章を表示し、プレイヤーが選択肢を選ぶことで物語が展開していくという、サウンドノベルならではのシステムを採用しています。
物語は、主人公である透とガールフレンドの真理が、雪山のペンション「シュプール」を訪れるところから始まります。しかし、楽しい旅行は一転、殺人事件に巻き込まれることに。外部から完全に隔離された山荘という閉鎖空間で、彼らは自力で事件を解決せざるを得ない状況に追い込まれます。
夕食後、突如として「こんや、12じ、だれかがしぬ」と不気味なメッセージが記された手紙が発見され、その直後、宿泊客の一人が無残な姿で発見されます。猛吹雪によって山荘は完全に閉鎖され、電話も不通となる中、残された宿泊客たちは互いに疑心暗鬼に陥り、事件は混迷を深めていきます。
『かまいたちの夜』の特徴的なシステムとして、物語の進行に合わせて現れる選択肢を選ぶことで、ストーリーが分岐していく点が挙げられます。また、犯人を特定する場面では、プレイヤー自身が犯人の名前を文字入力するという、斬新なシステムが採用されています。登場人物が青いシルエットで表現されている点も、本作ならではの演出と言えるでしょう。プレイヤーの選択によって結末が大きく変わるマルチエンディング方式も採用されており、何度も繰り返しプレイすることで、物語の全貌を解き明かすことができます。
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