『パズニック』は、タイトーが1989年にアーケードでリリースした、固定画面型のパズルゲームです。画面上に配置された同じ色のブロックを、2個以上接触させて消していくというシンプルなルールが特徴で、ブロックを消した際に、上から落ちてきたブロックが連鎖的に消えることで高得点が得られます。
アーケード版では、手詰まりになった際に2回まで「リトライ」が可能で、任意のブロックを破壊できる「爆弾」も2回まで使用できました(店舗設定により有効)。パズルはレベル1から8まで用意されており、各レベルには4つの問題が用意。すべての問題をクリアすると次のレベルに進むことができ、先のレベルに進むにつれてルートが分岐していくシステムが採用されていました。また、アーケード版では、面をクリアするごとに残り時間に応じて背景のレンガが崩れ、ヌードの女性のグラフィックが表示される演出がありました。
家庭用ゲーム機やパソコンへの移植も多数行われましたが、プラットフォームごとに様々な独自要素が追加されています。
X68000版とPC-9801版は、アーケード版のルールとステージ構成を踏襲しつつ、レンガに隠されたグラフィックが脱衣要素のないオリジナルキャラクターのイラストに変更され、BGMもオリジナル曲となっています。ブロックの挙動や消滅判定のタイミングが、アーケード版や他の機種版とは若干異なる点も特徴です。
PCエンジン版では、1面ずつパズルを解いていく通常モードに加え、落ちものパズルのようにブロックを消し続けるアレンジモードが追加されました。通常モードではパスワードコンティニューが可能で、4面クリアごとに表示されるパスワード画面には、『奇々怪界』の小夜ちゃんや『タイムギャル』のレイカなど、タイトーの別ゲームのキャラクターが登場しました。アーケード版同様にルート分岐がありますが、レベル1~8のすべてに8ルート×4問が用意され、問題数が大幅に拡充。レベル8をクリアするとエンディングとなりますが、パスワードで継続することで未クリアのルートを追加でプレイでき、すべてクリアすると超難問のエキスパートラウンドに挑戦できるという、やり込み要素も用意されていました。
FM TOWNS版は、アーケード版を忠実に移植しており、移植版としては唯一、脱衣要素のあるグラフィックもそのまま再現されています(設定で表示なしに変更可能)。爆弾の要素も移植されており(こちらも設定で変更可能)、さらに、任意のブロック配置のパズルを作成できるエディットモードも搭載されていました。
ゲームボーイ版では、ゲームオーバーの概念(制限時間やリトライ回数制限)が撤廃され、ブロックの仕様も変更されています。PCエンジン版と同様にパスワードが採用されていますが、人名や文章など、趣向が凝らされたものとなっています。10ステージクリアごとに女の子のグラフィックが表示されますが、10回以内のリトライに留める必要があり、パスワードコンティニューを行うと女の子のイラストが最初のキャラクターに戻されるという制限がありました。ルート分岐はなく、全128ステージ構成です。
ファミリーコンピュータ版は、海外ではタイトーアメリカから、日本ではアイ・ジー・エスから発売されました。パズニックモードに加え、重力の方向を変更してブロックを消していく「グラブニック」という新モードが追加されています。ゲーム中のキャラクター表示はなくなりましたが、日本版では全ステージクリア後に女の子のグラフィックが表示されるようになりました(海外版ではメッセージのみ)。ルート分岐はなくなり、パズニックは全16レベル (160問)、グラブニックは全8レベル (80問) となっています。
プレイステーション版は、2001年にアルトロンから発売され、ゲームシステムやグラフィックが大幅にリニューアルされました。ファンタジックなキャラクターが登場するストーリーモードや、ステージを自由に選択できるフリーモードが搭載されています。
携帯アプリ版は、2002年、2005年、2006年に各機種版がタイトーからリリースされています。
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