1985年12月、セガからアーケードゲームとして登場した『スペースハリアー』は、擬似3Dシューティングというジャンルを確立した作品です。プレイヤーは、遥か宇宙の果てに存在する平和なドラゴンランドを舞台に、若き超能力戦士ハリアーとなり、危機に立ち向かいます。

物語は、凶悪な魔生物の襲撃によって一変したドラゴンランドから始まります。魔生物や破壊マシーンの巣窟と化した故郷を救うため、守護龍ユーライアの救援に応じたハリアーは、超能力キャノンを手に単身で戦場へと飛び込みます。

開発を手掛けたのは鈴木裕氏。ゲーム基板には、メインCPUとしてMC68000を2個、サブCPUとしてZ80を搭載し、当時としては画期的な発色数32,000色による鮮やかな画面を実現しました。地平線の3D表現、多重スクロール、高速スクロールといった高度なプログラミング技術が惜しみなく投入され、視覚的なインパクトを高めています。

音楽面では、ヤマハの音源チップYM2203(OPN)が採用され、PCMデジタルサンプリング音源のベースとドラムスを駆使した、川口博史氏作曲によるBGMがゲームを彩ります。

ゲームシステムは、操縦桿で主人公ハリアーを操作し、発射ボタンで弾を撃ち、敵や障害物を破壊、または回避しながら進行していくというシンプルなもの。全18ステージで構成されており、ステージ5と12はボーナスステージとなっています。