1987年にファミリーコンピュータ向けに発売されたアドベンチャーゲーム『東方見文録』は、そのタイトルが示す通り、マルコ・ポーロの『東方見聞録』をモチーフにした作品です。プレイヤーは主人公である東方見文録となり、マルコ・ポーロと共に冒険を繰り広げることになります。しかし、その内容は一般的な冒険譚とは一線を画し、狂気的で不条理なブラックコメディが展開されるのが特徴です。
ゲームシステムは、コマンド選択式のアドベンチャーゲームで、プレイヤーは状況に応じて適切なコマンドを選択し、物語を進めていきます。用意されたコマンドは「いどう」「みる」「はなす」「なぐる」「とる」「しらべる」「つかう」、そして主人公である文録とマルコを切り替えるための「ひとかえる」の計8種類。これらのコマンドを駆使し、様々な謎や難題を解決していくことになります。
また、本作のユニークな要素として、コンティニュー時のパスワード入力に用いられる記号が挙げられます。一般的なアルファベットや数字ではなく、ツメターガイ(オウムガイ)、ハニワーン(ハニワ)、テケテーケ(テケテケ)、眼球、プラナリマーン(プラナリア)、フジツーボ(ふじつぼ)、すっぽんといった、独特なモチーフが採用されている点も、本作の異質な雰囲気を際立たせています。
さらに、ゲーム中のBGMとして、イスラエルの民族舞踊で用いられる楽曲「マイム・マイム」のアレンジバージョンが使用されている点も、特筆すべき点でしょう。
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