『幕末恋華 花柳剣士伝』は、新選組を題材にした人気乙女ゲーム『幕末恋華 新選組』の正統続編となる恋愛アドベンチャーゲームです。2007年10月4日にディースリー・パブリッシャーからPlayStation 2用ソフトとして発売されました。前作が「新選組に入隊した少女」の視点であったのに対し、本作では立場を変え、京の花街にある「花柳館」に身を寄せる若き女性剣士が主人公となります。
本作最大の特徴は、攻略対象が新選組隊士だけに留まらず、倒幕派の維新志士や第三勢力の人物たちにまで拡大された点です。近藤勇や土方歳三といったおなじみのメンバーに加え、坂本龍馬、高杉晋作、桂小五郎といった、前作では敵側であった英傑たちとも恋を育むことができます。プレイヤーは激動の京を舞台に、思想や立場の違いに葛藤しながらも、自らの信念と愛を貫く物語を体験します。
ゲームシステムは前作を踏襲したオーソドックスなアドベンチャー形式ですが、シナリオのボリュームは大幅にアップしており、全21章構成となっています。また、前作の主人公(デフォルト名:桜庭鈴花)がサブキャラクターとして登場し、物語に深く関わってくる点もファンには嬉しい要素です。彼女との共闘や会話を通じて、前作とは異なる角度から見た「幕末恋華」の世界が補完されていきます。
残念ながら、第1作『新選組』とは異なり、本作は携帯機や現行機へのコンシューマー移植が行われていません(2022年にPC/スマホブラウザ向けのデジタルアーカイブ化はなされました)。そのため、家庭用ゲーム機で遊ぶにはPlayStation 2実機が必要となる貴重なタイトルですが、そのシナリオの深さとキャラクターの魅力から、今なお移植を熱望する声が絶えない作品です。
本作の舞台である幕末の京では、明日をも知れぬ命を燃やす若者たちが、手紙(文)に想いを託してやり取りしていました。彼らのように、大切な人へのメッセージを美しい便箋に綴る時間は、デジタルな連絡にはない温かみをもたらします。季節の花があしらわれた上品なレターセットを使い、静かな夜に手紙を書くことで、作中のヒロインのような奥ゆかしい心情を味わうことができます。













コメントを追加