『天外魔境II MANJI MARU』は、1992年にPCエンジン用ソフトとして登場した名作RPG『天外魔境II 卍MARU』のリメイク作品であり、2003年にPS2版が10月2日、GC版が9月25日にそれぞれ発売されました。開発はハドソン、レッド・エンタテインメント、スティングの共同によって行われ、グラフィックや演出、操作性の向上を図った現代的なアレンジが施されています。
リメイク版では、フィールドやダンジョンが3D化され、キャラクターの頭身も上がり、より現代的なビジュアルに刷新されました。戦闘中のアニメーションやエフェクトも強化され、術の消費量や装備品の性能差が事前に確認できるなど、ユーザビリティの面でも改善が図られています。また、地図機能の追加や、ムービーの再生機能「天外活劇写真館」など、快適なプレイを支える新要素も盛り込まれました。
一方で、ゲームバランスは大幅に調整されており、経験値や資金の獲得量が増加したことで、オリジナル版に比べて難易度が大きく低下しています。これにより、戦略性や緊張感が薄れたと感じるプレイヤーも多く、特にオリジナル版のファンからは“ヌルゲー化”との指摘が相次ぎました。また、一部イベントの表現が倫理的配慮から改変されており、印象的だったシーンの演出が弱まったという声もあります。
ボイスデータはオリジナル版のものを流用しているため、音質や演技の一貫性にばらつきが見られる場面もあり、ムービーも新規アニメーションは少なく、当時のドット絵を高画質化したものが中心となっています。演出面では、ボス撃破時の演出が簡素であるなど、グラフィックの進化に対して演出が追いついていないという評価も見受けられました。
総じて、リメイク版は新規プレイヤーにとっては遊びやすくなった一方で、オリジナルの持っていた緊張感や演出の濃さを求めるファンにとっては物足りなさを感じさせる内容となっています。
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