『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』は、2002年8月1日にバンダイからPlayStation 2向けに発売された3Dアクションゲームで、開発はベック(チーム・ホワイトディンゴ)が担当しました。本作は『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』の流れを汲むリアル志向の戦場描写を特徴とし、プレイヤーは地球連邦軍またはジオン公国軍の小隊長として一年戦争の地上戦を戦い抜く構成となっています。
ゲームは連邦編・ジオン編の2ルートに分かれており、それぞれ14ミッション前後で構成されています。プレイヤーは僚機2機を率いて戦場に出撃し、簡易的なフォーメーション指示(アロー/ブイ/散開)を用いて部隊を操作します。戦闘では通常の射撃・格闘に加え、チャージによる「スペシャルアタック」や、バーニアゲージを消費して突進する「ヘヴィーアタック」などの特殊行動が可能です。また、爆発するMSに巻き込まれるとダメージを受けるなど、重量感と実在感を重視した演出が施されています。
登場機体は連邦軍13機、ジオン軍20機の計33機で、陸戦型ジム、ガンダムEz8、マドロック、ジム・スナイパーII、イフリート改、グフカスタム、ケンプファー、ズゴックE、ザメルなど、OVAやMSVからの機体も多数登場します。一部機体は特定条件を満たすことで使用可能となり、鹵獲設定によって敵陣営の機体も使用できるようになります。
本作には連邦・ジオンそれぞれにオペレーター、整備士、秘書官の女性キャラクターが3名ずつ登場し、ミッション評価に応じて好感度が変化するギャルゲー的要素も導入されています。高評価を得ることで新機体の支給や特殊ムービーが解禁される仕組みです。また、2人対戦・協力プレイにも対応しており、特定の機体編成で「ホワイトベース隊」や「黒い三連星」などの特殊部隊が再現される演出もあります。
なお、ゲーム本編には主人公の姿や名前は登場せず、プレイヤーの視点で物語が進行しますが、漫画版や小説版では連邦側の主人公「マット・ヒーリィ」、ジオン側の「ケン・ビーダーシュタット」といった固有キャラクターが設定されており、後年の『GUNDAM LEGACY』や『0083 REBELLION』などにも登場するなど、宇宙世紀の外伝群との連携が図られています。
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