『サンダーストライク:Operation Phoenix』は、鋼鉄の回転翼で戦場を支配し、テロリストの拠点に死の雨を降らせる3Dコンバットヘリ・アクションシューティング。2002年2月7日にアイドス・インタラクティブからPlayStation 2で発売され、『トゥームレイダー』シリーズを生み出した英国の名門「Core Design」が手掛けた、硬派かつ破壊の美学に満ちた洋ゲーアクションとして展開されました。
本作の舞台は近未来。世界規模で同時多発的に発生したテロリズムに対抗するため、各国が共同で設立した極秘特殊部隊「フェニックス」の戦いを描きます。プレイヤーはエースパイロットとして、最新鋭の架空攻撃ヘリ「AH-73M(通称:サンダーストライク)」に搭乗し、中東の砂漠から東欧の雪原、南洋の群島まで、世界各地の紛争地帯へ急行します。ミッション内容は敵戦車の列を壊滅させる単純なものから、味方部隊の護衛、レーダー施設のピンポイント爆撃、夜間の潜入作戦まで多岐にわたります。
ゲームシステムは、フライトシミュレーターのリアルな挙動と、アーケードゲームの爽快感を巧みにブレンドしています。ヘリ特有の慣性が働く浮遊感や、地形を利用して敵のレーダーを回避する「匍匐(ほふく)飛行」といったテクニックが求められる一方で、搭載兵器の弾数は非常に豊富です。30mmチェーンガン、無誘導ロケット弾、そしてロックオン式のヘルファイアミサイルを惜しげもなく連射し、画面を埋め尽くす敵車両を次々と爆発四散させるカタルシスは格別です。また、サーマルビジョン(熱源探知)やナイトビジョンを切り替えて索敵するなど、ハイテク兵器ならではのガジェット操作も没入感を高めます。
本作は、メガCDなどで発売された名作ヘリゲー『サンダーホーク』シリーズの系譜に連なる作品(欧州版タイトルは『Thunderhawk: Operation Phoenix』)です。洋ゲー特有の無骨な雰囲気や、やや大味な難易度はありますが、それを補って余りある「圧倒的な火力を叩き込む快感」と、戦場の空気感を再現したグラフィックは、当時のミリタリーファンを十分に唸らせる完成度を誇っています。
『サンダーストライク』はオリジナル作品ですが、主役機となる「AH-73M」は、実在するアメリカ陸軍の攻撃ヘリ「AH-64 アパッチ」や、ステルスヘリ「RAH-66 コマンチ」をモチーフにデザインされています。無骨なボディに重武装を施したその姿は、機能美の塊といえます。













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