『ウイニングポスト5』は、2000年に光栄(現・コーエーテクモゲームス)よりWindows版が発売された競馬シミュレーションゲームであり、シリーズ第5作にあたります。PlayStation 2版は2001年に登場し、以降「マキシマム2002」「マキシマム2003」などの年度更新版が複数展開されました。本作では、競走馬の育成・配合・出走に加え、登場人物との交流やイベントが重視されており、シリーズの中でも人間関係の描写が強化された構成となっています。
ゲームシステムでは、「能力因子システム」が初導入されており、血統表に表示される9種の因子(スピード・スタミナなど)によって産駒の傾向を視覚的に推理することが可能です。配合理論は前作までの重視傾向が修正され、両親の能力が産駒に強く影響する設計となっています。また、牧場経営では施設の建設・拡張が可能となり、牧場長には能力値が設定されるなど、育成環境のカスタマイズ性が向上しています。
さらに、プレイヤーの行動履歴を「馬主データ」として保存し、他プレイヤーのデータをライバル馬主として登場させる機能が搭載されています。パワーアップキットではこの馬主データを用いた対戦モードも収録されており、競馬世界の広がりと戦略性が強化されています。ワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンシップ(WRSC)も初導入され、香港・シンガポール・オーストラリアなどのGIレースへの出走が可能となっています。
マイナーチェンジ版
『マキシマム2002』では、海外競馬場や新馬券(3連複・馬単)の導入、新人騎手育成イベントの追加などが行われ、競馬システムの拡張が図られました。『マキシマム2003』では、馬主タイプ選択(資産家・中小牧場主など)や難易度5段階設定、さらに『ジーワンジョッキー3』の体験モードが収録されるなど、プレイヤーの自由度と遊びやすさが向上しています。両作ともにエディット機能を搭載しており、種牡馬や人物データの変更が可能です。
また、シリーズ恒例の「ドリームモード」では、歴代の名馬と自家生産馬が対決する特別レースが展開され、競馬ファンに向けた演出が強化されています。キャラクターデザインは漫画家・かどたひろしが担当しており、登場人物の個性やイベント演出にも力が入れられています。いずれもPS2専用メモリーカードへの大容量セーブが必要となるため、プレイ環境の整備も重要な要素となっています。
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