『ダービージョッキー2001』は、ジョッキーとしての栄光を掴むため、競馬学校の生徒からスタートして頂点を目指す騎手育成アクションゲーム。2001年1月18日にアスミック・エース エンタテインメントからPlayStationで発売され、スーパーファミコン時代に人気を博した『ダービージョッキー』シリーズの血統を受け継ぎつつ、3Dグラフィックで新たな表現に挑戦した意欲作として展開されました。
本作のメインモードは、一人の新人騎手となって引退までのキャリアを歩む「ストーリーモード」です。プレイヤーはまず競馬学校に入学し、教官の指導のもとで「逃げ」「先行」「差し」「追込」といった脚質ごとの騎乗法や、スタートダッシュのタイミングを学びます。無事に卒業試験をパスして厩舎に所属した後も、調教を手伝って馬との信頼関係を築いたり、レース結果によって騎手ランクを上げたりと、地道な努力が求められます。実力不足であれば騎乗依頼すら来なくなるシビアな世界が描かれており、単なるレースゲームではない「職業シミュレーション」としての側面も色濃く持っています。
レースシーンは、プレイステーション後期の作品としては独特な仕様が採用されています。道中は一般的な後方視点の3D画面で進行しますが、最後の直線に入るとカメラが切り替わり、横スクロール(サイドビュー)のような視点でラストスパートをかける演出が入ります。これはSFC時代のシリーズ作を彷彿とさせる懐かしい演出ですが、3D空間での位置取りや距離感が掴みづらくなる要因ともなっており、プレイヤーの評価を分けるポイントとなっています。また、スタート時は左右に振れるバーをタイミングよく中心で止める「目押し」が必要で、馬の気性によってバーの振れ幅が激変するなど、アクションゲーム的な反射神経も要求されます。
登場する競走馬や騎手は実名ではありませんが、エディット機能により自分好みの名前に変更することが可能です。グラフィックや挙動に関しては、同時代の『G1ジョッキー』や『ギャロップレーサー』といったライバル作品に比べて粗削りな部分も否めませんが、手軽に遊べる操作性と、サクサク進むテンポの良さは本作ならではの利点です。名作シリーズの系譜にありながら、過渡期の試行錯誤が詰まった一本といえるでしょう。













コメントを追加