『TFX』は、近未来の軍用機を操縦し、国連軍の一員として世界各地の紛争解決任務に就くコンバットフライトシミュレーター。1996年11月29日にイマジニアからPlayStationで発売されました。
本作は、PC用フライトシムの名門である英国のDigital Image Design(DID)が開発した同名タイトルを、PlayStation向けに移植した作品です。タイトルの「TFX」は「Tactical Fighter eXperiment(次期戦術戦闘機計画)」を意味しており、プレイヤーは当時最新鋭の試作機であった「ユーロファイター2000(タイフーン)」をはじめ、「F-22」「F-117A ナイトホーク」の計3機種から搭乗機を選択できます。最大の特徴は、英国空軍(RAF)の監修を受けたというリアルな機体挙動と、膨大な計器類や兵装システムの再現度にあります。
ゲームモードには、即座に戦闘を楽しめる「アーケードモード」と、長期間にわたる任務を遂行する「キャンペーンモード」が搭載されています。キャンペーンでは、コロンビア、ソマリア、リビアといった実在の地域をモデルにした5つの作戦エリアが用意されており、プレイヤーはブリーフィングで作戦内容を把握し、空対空戦闘や地上攻撃などのミッションに挑みます。元がPCゲームであるため操作体系は非常に複雑で、家庭用コントローラーのボタンをフル活用(および同時押しなどの組み合わせ)して、着陸装置の操作やレーダーモードの切り替えを行う必要があります。硬派なシミュレーターとしての側面が強い一方で、バリー・リーチ氏によるテクノ調のBGMや、ミッション間に挿入されるドラマチックな演出が、ゲームとしての没入感を高めています。
本作のオリジナル版を開発したDigital Image Design(DID)は、90年代に『F29 Retaliator』や『EF2000』などの傑作フライトシムを次々と送り出した英国のデベロッパーです。特に本作『TFX』は、後の『EF2000』へと続く技術的な基礎を築いた作品として知られています。また、本作に登場するユーロファイター(タイフーン)は、開発の遅延を経て2000年代に入ってから本格運用が開始された欧州の主力戦闘機であり、ゲーム発売当時の「未来の戦闘機」としての姿と、現実の運用機を見比べるのも一興です。













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