『はるかぜ戦隊Vフォース』は、1996年にビングよりプレイステーション向けに発売された戦略シミュレーションゲームです。本作は、古代金星文明の末裔である地球連邦軍が、宇宙からの侵略者「バスクキール帝国」と戦うというSF戦記を描いています。プレイヤーは、最新鋭戦闘機「レグルス」を操る4人の若きパイロット候補生を指揮し、全15ステージにわたる戦闘任務を遂行していきます。物語は西暦2023年を舞台に、金星文明の遺産と地球防衛の命運を巡る壮大な構成で展開されます。
ゲームシステムはクォータービュー形式の2Dマップを採用しており、ターン制による戦術的なユニット操作が求められます。主人公機は高性能ながら耐久力が低く、撃墜されると即ゲームオーバーとなるため、慎重な運用が必要です。反撃不可・移動キャンセル不可といった制約があるため、マップ攻略には時間を要する設計です。中盤には機体強化イベントが存在しますが、全員が対象ではなく、バランス面に課題が残る構造となっています。
演出面では、総動画数15,800枚以上、60分超のアニメーションが収録されており、ステージ間のストーリーや戦闘演出にアニメムービーが挿入される構成です。キャラクターデザインは千葉道徳、メカデザインは平井久司が担当しており、豪華声優陣によるフルボイス演出が特徴です。特に、起動時のオープニングやタイトル復帰時のエンディングなど、テレビアニメを意識した演出が随所に盛り込まれています。
物語終盤では、敵の超大型機動要塞や4元帥との決戦が描かれ、地球側の敗色が濃厚となる中、古代金星文明の超兵器を撃破する展開で幕を閉じます。最終ステージでは、援軍として登場する「Vフォース」部隊が編成され、タイトル名の由来が明かされる構成です。続編を示唆するエンディングが用意されていますが、実現には至らず、幻の続編として記録されています。
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