『風雲悟空忍伝』は、中国の古典『西遊記』をモチーフにしつつも、独自のコミカルなアレンジを加えた横スクロールアクション。1996年8月30日にエイコムからPlayStationで発売されました。

本作の舞台は、かつて理想郷と呼ばれながらも悪魔大魔王によって支配されてしまった「夢の国ドリームランド」。プレイヤーは悟空、八戒、沙悟浄の3人を操作し、世界を元に戻す鍵となる9枚の「黄金の予言板」を集める冒険へと旅立ちます。開発を手掛けたエイコムは、アーケードシューティングなどで高い技術力を持つメーカーであり、本作でも緻密に描き込まれた2Dドット絵や滑らかなキャラクターアニメーションが光ります。敵キャラクターには中華なべや麻雀牌といったユニークなデザインが採用されており、シリアスな戦いの中にも笑いを誘う演出が散りばめられています。

ゲームシステムにおいて最も重要なのが「投げ」のアクションです。敵に接近してコマンドを入力することで、ザコ敵はもちろん、画面を覆うような巨大なボスキャラクターであっても豪快に投げ飛ばすことができます。投げた敵は他の敵にぶつけてダメージを与えられるため、位置取りとタイミング次第で爽快な一網打尽が可能です。また、ステージ中に手に入る「水晶」は、必殺技を放つためのエネルギー源であると同時に、クリア後の体力回復リソースでもあります。強力な技を使って楽に進むか、温存して回復量を確保するかという戦略的な駆け引きが求められます。

悟空役の久川綾をはじめとする実力派声優陣によるボイス演出も充実しており、ステージ間のデモシーンでは物語を賑やかに盛り上げます。道中は比較的短めでボス戦に比重を置いた構成となっており、ダレることなくテンポよく遊べる良質な2Dアクションゲームです。

本作のベースとなっている『西遊記』は、中国・明の時代に成立したとされる伝奇小説です。唐の僧・三蔵法師が、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を従えて天竺へ経典を取りに行く旅を描いています。本作ではタイトルに「忍伝」とある通り、忍者アクションのような軽快な動きや、SFチックなメカ妖怪が登場するなど大胆なアレンジが施されていますが、キャラクターの性格やトリオの掛け合いといった原作の魅力はしっかりと踏襲されています。

書籍『西遊記』関連
※いつの時代も色褪せない冒険活劇の原点。ゲームのアレンジ元となった壮大な物語に触れてみてください。

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