『パーフェクトゴルフ』は、1995年にセタからPlayStation向けに発売されたゴルフシミュレーションゲームで、実在する全国266のゴルフコースを収録した、当時としては非常に意欲的な作品です。リアルなゴルフ体験を追求することをコンセプトに、グラフィックや操作性、そして解説に至るまで、細部にこだわった設計がなされています。

本作の最大の特徴は、従来のゴルフゲームで主流だった「3回ボタン押し方式」ではなく、プレイヤーが自らショットのパワーを手動で調整するという独自の操作システムにあります。ショット時には赤いサークルが徐々に縮小していき、最小になった瞬間にボタンを押すことでナイスショットが決まるという仕組みで、タイミングと集中力が求められます。グリーン上のパッティングは特に難易度が高く、カップの吸い込み判定が厳しいため、繊細なパワー調整が必要とされます。

また、プロゴルファー・田原紘氏による実践的なレッスンモードも収録されており、単なるゲームとしてだけでなく、ゴルフの技術や考え方を学べる教材的な側面も持ち合わせています。グラフィックは当時の水準では標準的ですが、コースの再現度や雰囲気づくりには力が入っており、ゴルフファンには十分に楽しめる内容となっています。

1998年には続編『パーフェクトゴルフ2』も発売され、収録コース数が400に増加するなど、さらなるボリュームアップが図られました。シリーズ全体としては、派手さよりも“実在感”と“地に足のついたプレイ感”を重視した、硬派なゴルフゲームとして評価されています。