Article 2024/8/19
【FC】スティックハンター
【FC】スティックハンター
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『スティックハンター』は、1987年12月18日にケイアミューズメントリースから発売されたファミコン用アイスホッケーゲームで、家庭用ゲーム機としては初期のアイスホッケー作品に位置づけられる。タイトル名からはアクション性の強いゲームを想像しがちだが、実際の内容は“素直なホッケーゲーム”であり、派手さよりも競技の基本動作を地道に再現した作りになっている。
ゲーム画面はリンク全体を見下ろすトップビュー方式で、プレイヤーは8つの国(日本、アメリカ、ソ連、カナダ、イギリス、フランス、ノルウェー、チェコスロバキア)からチームを選択できる。試合時間は10・20・30の3種類、難易度は1〜5段階で設定可能と、当時としてはカスタマイズ性が高い。
操作は十字ボタンで移動し、Aボタンでシュート、Bボタンでパス。Aを押し続けると加速、Bを押し続けると減速するなど、シンプルながら独特の慣性があり、最初は「思った方向に動かない」「誰を操作しているのか分かりづらい」と戸惑いやすい。実際、操作説明が不足しているため“迷子になりやすいゲーム”と評されることも多い。
しかし、慣れてくると本作の設計は意外と実直で、選手の頭上に番号が表示されて操作キャラが分かりやすくなっていたり、パックに最も近い味方へ切り替える操作が用意されていたりと、最低限のプレイアビリティは確保されている。パスは向いている方向の味方にのみ通り、シュートも方向入力で角度を付けられるなど、地味ながら“競技としての筋”は通っている。
試合は3ピリオド制で、ピリオド間にはアイスショーの演出が挿入される。これは飛ばせないためテンポを損なう要因にもなっているが、当時のファミコンらしい“おまけ演出”として記憶に残るポイントでもある。反則時にはフェイスオフや退場処理が行われるなど、ルール面の再現も最低限押さえられている。
本作は、後に任天堂が発売する名作『アイスホッケー』(1988年)と比較されることが多く、スピード感や操作性の面で評価が伸び悩んだ。しかし、ファミコン初期のホッケーゲームとしては意欲的で、複数国の選択や難易度設定など、競技ゲームとしての形を整えようとした姿勢が見える。開発はマイクロニクスとされ、当時の同社作品に見られる“操作の癖”が本作にも色濃く残っている点も特徴だ。
総じて、『スティックハンター』は、派手さや爽快感よりも“地味な基礎動作の積み重ね”を重視したアイスホッケーゲームであり、操作に慣れるまでの壁は厚いものの、理解が進むほど競技らしい駆け引きが見えてくる一本である。ファミコン初期スポーツゲームの空気をそのまま閉じ込めたような、素朴で不器用な魅力を持つ作品だ。