『L.O.L. 〜LACK OF LOVE〜』は、2000年11月2日にセガよりセガ ドリームキャスト向けに発売されたアドベンチャー型生命進化シミュレーションゲーム。開発はラブデリックが手がけ、ディレクターには木村祥朗が名を連ねています。ジャンル表記は「エコ・アドベンチャー」。環境と生命の関係性をテーマに据えた、実験的かつ哲学的な作品です。
プレイヤーは、惑星に不時着した宇宙生命体「L.O.L.」を操作し、現地の生態系に適応しながら進化を遂げていきます。戦闘や明確な目的は存在せず、他の生物との関わり方や行動によって、姿や能力が変化する仕組み。言語や文字による説明はほとんどなく、視覚的・感覚的な演出を通じて、プレイヤー自身が世界のルールを理解していく構造です。進化の過程では、捕食・共生・回避など多様な選択が求められ、行動によって周囲の反応が変化するため、プレイヤーの倫理観が試される場面もあります。
音楽は坂本龍一が担当し、環境音と融合した静謐なサウンドが、作品全体の空気感を支えています。演出面では、セリフやテキストを排除したミニマルな構成が特徴で、プレイヤーの解釈に委ねる余地が大きい設計。発売当時は商業的な成功には至らなかったものの、現在ではラブデリック作品群の中でも特異な存在として再評価されており、国内外のゲームファンから高い関心を集めています。
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