『探偵 神宮寺三郎』シリーズの原点となる第1作は、コマンド選択式のアドベンチャーゲームとして登場しました。特筆すべきは、ロールプレイングゲームを彷彿とさせるフィールド画面の存在です。新宿中央公園がマップとして表現され、ゲームの舞台を視覚的に把握できます。
ゲームシステムも独特です。「そうさやめる」コマンドはセーブ機能だけでなく、時間経過の役割も担っており、選択するとゲーム内の時間が1日進みます。しかし、捜査には期限が設けられており、期限を超過するとゲームオーバーとなるため、時間管理も重要な要素となります。また、特定の選択肢を選ぶことでもゲームオーバーとなるため、慎重な判断が求められます。
演出面では、公園内のフィールド画面と一部シーンを除き、BGMはほとんど使用されていません。しかし、登場人物が重要な証言や意外な言動をした際には、短いフレーズのBGMが流れ、緊迫感やドラマ性を高めます。ディスクシステムでの発売だったため、ロード時間が発生し、その際にはテレビ番組のようなアイキャッチが挿入されるという、当時の技術的な制約を感じさせる仕様も特徴的です。
作風は、当時のファミリーコンピュータのゲームとしては珍しいハードボイルド調で、人物の描写もアニメ調ではなく、実写のようなリアルな描き込みがなされています。登場人物の名称がすべて東京界隈の地名から取られている点も、作品の雰囲気を醸成する要素の一つでしょう。
ゲーム開始時には、アルファベットで名前を入力します。これは、次回捜査再開時のパスワードとしても機能します。コマンドには「タバコ すう」というユニークなものが存在し、捜査に行き詰まった際に使用することで、ストーリーが進行する場合があります。また、「おどす」コマンドも存在し、特定の人物に使用することでストーリーが進展しますが、相手によってはゲームオーバーとなる危険性も孕んでいます。
捜査は30日以内という制限時間があり、「そうさやめる」コマンドで日数を経過させながら進めていきます。完全に犯人を特定できた段階で「こくはつする」コマンドを実行することで、容疑者を逮捕することが可能となります。
探偵 神宮寺三郎 Early Collection
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