『信長の野望・戦国群雄伝』は、1998年にコーエーよりPlayStationおよびセガサターン向けに移植された歴史シミュレーションゲームで、シリーズ第3作にあたります。戦国時代を舞台に、プレイヤーは大名として全国統一を目指し、戦略と戦術を駆使して勢力を拡大していきます。
本作では、シリーズ初の「配下武将」システムが導入され、約400人以上の実在武将が登場します。武将には「政治力」「戦闘力」「魅力」「野望」などの能力値が設定されており、行動力の概念により複数の指示を出すことが可能です。これにより、従来の大名単独操作から、家臣を活用した組織的な戦略が求められるようになりました。
戦闘では、時間帯による戦術の変化(朝・昼・夜)や籠城戦の導入により、戦局の読み合いが重要になります。兵種は足軽・騎馬・鉄砲の3種で、武将ごとに固定されており、地形や敵部隊との相性を考慮した運用が求められます。奇襲や伏兵などのコマンドも存在し、戦闘の自由度は高めです。
収録シナリオは「群雄割拠」(1560年)と「信長の野望」(1582年)の2本で、それぞれ異なる勢力図と歴史的背景を持ちます。特定条件下で「本能寺の変」が発生するなど、歴史イベントも盛り込まれており、プレイ展開に深みを与えています。
移植版としての完成度は高く、原作のシステムを忠実に再現しつつ、家庭用機向けに操作性や表示面が調整されています。ただし、登場勢力が関東〜中国・四国地方に限定されており、東北や九州の大名は登場しないなど、地理的な制約がある点は留意が必要です。
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