『薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク -Das Versprechen-』は、昭和初期の帝都を舞台に、学園で起きた猟奇殺人事件の謎を追うサスペンス・ボーイズラブアドベンチャーゲーム。2006年06月15日にインターチャネル・ホロンからPlayStation 2で発売されました。その後、2010年12月22日にはQuinRoseからPlayStation Portable版『薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク』が発売されています。物語の舞台は、全寮制の男子校「天保良学園」。校庭で発見された生徒の変死体をきっかけに、特務機関に所属する主人公・日向要が教師として潜入捜査を開始し、学園に渦巻く狂気と愛憎、そして連続殺人の真相に迫ります。
ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなノベル形式で進行します。プレイヤーは主人公の視点を通じて、生徒や同僚教師、あるいは事件に関わる人物たちと接触し、情報を収集します。選択肢によって各キャラクターとの親密度や物語の方向性が変化し、事件を解決に導くルートや、登場人物たちの心の闇に触れて破滅へと向かう結末など、多岐にわたるエンディングへと分岐します。コンシューマー版ではPC版からシナリオの大幅な加筆・修正が行われ、よりミステリーとしての完成度が高められています。
本作は、草間さかえ氏が手掛ける退廃的で美しいキャラクタービジュアルと、昭和モダンな世界観の中で描かれる重厚なシナリオが特徴です。単なる恋愛描写に留まらず、登場人物たちが抱える孤独や執着、そして猟奇的な事件の背景にある歪んだ心理が克明に描かれています。PSP版ではPS2版の追加要素を網羅しつつ、ワイド画面への対応やスクリーンショット機能などが実装されており、耽美で陰鬱な作品世界を快適な環境で読み進めることが可能です。
原作を手掛けたCyc Rose(サイク・ローズ)は、サスペンスやダークな世界観を得意とするボーイズラブゲームブランドです。本作はそのデビュー作であり、重厚なストーリーで高い評価を得ました。原画を担当した草間さかえ氏は、漫画家としても活躍しており、その独特の色気と陰影のある画風は本作の世界観を決定づけています。昭和モダンの雰囲気やミステリー要素に惹かれた方は、江戸川乱歩の小説『孤島の鬼』などを読むことで、怪奇と耽美が融合した文学的なルーツを感じ取ることができます。













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