『プリンセスメーカー4』は、魔族と人間の争いが終結した後の世界で、戦友から託された少女を「娘」として8年間育てる育成シミュレーションです。2005年9月1日にジェネックスからPlayStation 2で発売され、2006年10月12日にPlayStation Portable、2008年9月25日にはニンテンドーDSへと展開されました。
プレイヤーは引退した騎士として、10歳の少女パトリシアを18歳の成人まで養育します。シリーズお馴染みの魔族の執事キューブと共に、彼女の教育やアルバイトのスケジュールを月単位で管理し、その成長を見守ります。本作ではシリーズで初めてキャラクターデザインに天広直人氏を起用し、これまでのシリーズとは一線を画す華やかで現代的なビジュアルが物語を彩ります。
育成の軸となるのは、学業や仕事を通じて変動するステータス管理です。娘のパラメーターは将来の職業だけでなく、その時々の性格やプレイヤーへの態度にも大きな影響を及ぼします。教育内容や接し方によって「内向的」「社交的」といった属性に分かれ、それによって発生するイベントや会話の内容が変化する仕組みが取られています。
物語は、人間界を襲った魔族との因縁や娘の秘められた出自を巡る重厚なファンタジーとして描かれます。街での散策や行事を通じた人々との交流により、彼女がどのような運命を選択するかが決まります。エンディングは30種類以上存在し、一国のプリンセスから騎士、あるいは魔界の女王まで、プレイヤーの教育方針によって娘の未来は劇的に分岐します。
移植版となるPSP版やニンテンドーDS版では、物語を補完する追加シナリオや新規のイベントグラフィックが多数盛り込まれました。特にDS版の『スペシャルエディション』では、クリア後に楽しめるおまけエピソードが収録されており、より深く作品の世界を掘り下げることができます。携帯機の利便性を活かし、愛娘との日々をどこでも手軽に追体験できる環境が整っています。
『プリンセスメーカー4』は、1991年にガイナックスより発売された『プリンセスメーカー』をシリーズの原点としています。「親になって娘を育てる」という育成シミュレーションのジャンルを確立した名作の系譜に連なる、ナンバリング第4作目にあたる作品です。












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