『スーパーロボット大戦Scramble Commander』は、2003年11月6日にPlayStation 2用ソフトとしてバンプレストより発売されたリアルタイムストラテジー(RTS)型の作品であり、「スーパーロボット大戦」シリーズ初の本格3Dリアル等身・リアルタイム制バトルを採用した意欲作です。本作は、従来のターン制シミュレーションではなく、プレイヤーが司令官の立場で部隊に指示を出し、リアルタイムに進行する戦場をコントロールするという新しいスタイルを導入しています。

登場するユニットはすべて等身大の3Dモデルで描かれ、従来のSDロボットからリアル路線への転換が図られました。プレイヤーは最大3機のユニットで構成された小隊を指揮し、敵との戦闘を戦術的に展開。各ユニットにはコスト制が設けられており、より強力な機体を編成するか、バランス重視で複数展開するかといった采配が攻略のカギを握ります。

バトルでは、距離・高度差・味方の配置などリアルタイムで変化する戦況に即した判断が求められ、必殺技はチャージ式で発動タイミングが重要となるなど、戦術面での緊張感が高く設定されています。操作の基本はAIに任せる形となっており、プレイヤーは目標の指定やフォーメーション変更、技の選択といった「司令官」としての判断に集中する構成です。

また、本作はシリーズ作品としての初挑戦が多く、ミサト・カツラギ(エヴァンゲリオン)をナビゲーターに起用したり、戦闘演出では従来のBGMとリアルグラフィックの融合を試みるなど、実験的側面も色濃く出た内容となりました。続編となる『Scramble Commander the 2nd』へとつながる礎として、後年に再評価されることも多い作品です。