『侍道2』は、2003年10月9日にスパイク(現・スパイク・チュンソフト)からPlayStation 2向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームで、アクワイアが開発を手がけた「侍道」シリーズの第2作です。前作『侍〜SAMURAI〜』の自由度の高さと時代劇の雰囲気を継承しつつ、舞台を峠から出島「天原(あまはら)」へと拡大し、登場人物やイベント数も大幅に増加。より濃密な“侍としての生き様”を体験できる作品となっています。

物語は幕末の出島「天原」を舞台に、流れ着いた一人の侍が10日間の中でどのように生き、誰と関わり、何を守り、誰を斬るかをプレイヤーの選択によって描いていきます。町には「奉行所」「青門組」「町人」という三つの勢力が存在し、どの勢力に加担するか、あるいは一切関わらず己の信念を貫くかによって、物語は大きく分岐。全14種類のマルチエンディングが用意されており、周回プレイによって新たな展開や隠し要素が解放されていきます。

戦闘システムは前作からさらに進化し、縦斬り・横斬りの区別や、相手の攻撃を見切って反撃する「捌き」、一撃必殺の「居合」など、より時代劇らしい殺陣の駆け引きが楽しめます。刀は60種類以上が登場し、構えや性能が異なるため、収集と育成の要素も充実。鍛冶屋での強化や冠名付けによって、愛刀を育て上げる楽しさも本作の魅力のひとつです。

また、町には鍛冶屋、宿屋、湯屋、遊郭、道場など多彩な施設が存在し、生活感のある江戸の町を自由に歩き回ることができます。時間経過や体力・気力の管理といった生活要素も取り入れられており、単なるアクションゲームにとどまらない“侍シミュレーター”としての側面も持ち合わせています。

2004年にはバグ修正や新要素を追加した『侍道2 決闘版』が発売され、2009年には新モードやアドホック通信対戦を追加した『侍道2ポータブル』がPSP向けに登場。シリーズの中でも特に評価が高く、今なお“隠れた名作”として語り継がれる一本です。