『歸らずの森』は、神隠しの伝説が残る森と洋館を舞台にしたホラーアドベンチャー。2002年12月26日にグローバル・A・エンタテインメントからPlayStation 2で発売されました。

物語の舞台は、東北の田舎町「守森町(かみもりちょう)」。町を守る「もりがみさま」の占いで「あしたしぬ」と宣告された友人を救うため、主人公の中学生「芹沢ユキ」と幼馴染たちは、禁足地である森の奥の洋館へと足を踏み入れます。館には怨念が渦巻いており、プレイヤーは3人の生徒たちの視点を切り替えながら、館に仕掛けられた謎を解き、生きて脱出することを目指します。

本作最大の特徴は、選択肢に制限時間が設けられた「霊刻(れいこく)」システムです。迷っている間にも時間は刻一刻と過ぎていき、判断が遅れると即ゲームオーバーに直結します。また、主人公たちには「体力」や「精神力」の概念があり、恐怖体験によって精神が摩耗すると幻覚を見るようになるなど、サウンドノベル形式でありながらサバイバルゲームのようなシビアなリソース管理が求められる高難易度な作品です。

『歸らずの森』は、特定の原作を持たないオリジナルのゲーム作品です。閉鎖的な村の因習や神隠しといった「民俗学ホラー」の要素を色濃く持っており、こうしたジャンルは小説や他のメディアでも高い人気を誇ります。

民俗学 ホラー 小説