『WTC〜ワールド・ツーリングカー・チャンピオンシップ〜』は、2000年11月9日にスパイクよりPlayStation向けに発売されたレースゲームで、実在するツーリングカーを使用したリアル志向のドライビング挙動と戦略性の高いレース展開が特徴です。

本作は、ツーリングカーレースの世界観を再現したシミュレーション寄りのレースゲームで、プレイヤーは実在メーカーの車両を操りながら、世界各地のサーキットで優勝を目指します。登場車種は国産・欧州車を中心に構成され、車両ごとの性能差や挙動の違いが細かく再現されています。レース中はピットインやタイヤ交換などの戦略要素も含まれており、単なるスピード勝負ではなく、状況判断が求められる設計です。

グラフィックはPlayStationとしては高水準で、車体の質感や背景描写にこだわりが見られます。挙動はアーケード寄りではなく、実車の動きを意識したリアル志向で、コーナリングやブレーキングの感覚に慣れるまで時間を要します。また、1人プレイだけでなく2人対戦にも対応しており、友人との競争も可能です。

一方で、難易度の高さや操作性のクセ、車種選択の偏りなどが指摘されており、初心者にはやや敷居が高い作品とされています。また、ライセンス取得や実在レースとの連動はなく、オリジナル構成の大会となっているため、実名レースファンには物足りなさを感じる場合もあります。