『スーパーブラックバス 〜ダイナミックショット〜』は、2005年11月24日にスターフィッシュ・エスディよりニンテンドーDS向けに発売された釣りシミュレーションゲームであり、同社の看板シリーズ「スーパーブラックバス」のDS初参入作品である。DSのタッチパネル機能を活かした直感的な操作と、通信対戦を含む多彩なモードが特徴となっている。

本作では、日本とアメリカを舞台に、6つの湖・全30エリアを巡ってランカーバスを釣り上げることが目的となる。プレイヤーは、キャスティングからルアー操作、ロッドの引きまでをすべてタッチペンで行い、魚とのファイトでは実際にロッドを握っているかのような臨場感が演出される。湖にはシリーズ史上最大級の大物が潜んでおり、ルアーの選択やポイント探し、魚の動きに応じた駆け引きが求められる。

ゲームモードは、腕を磨く「プラクティスモード」、大会を勝ち抜いてワールドチャンピオンを目指す「トーナメントモード」、そして最大4人までのDSダウンロードプレイによる通信対戦モードが用意されている。対戦中は他プレイヤーの釣果がリアルタイムで表示され、緊張感のある勝負が展開される。

演出面では、3Dグラフィックによる湖の描写や魚の挙動が再現されており、特にファイト中の視点演出は釣り人の視線を意識した構成となっている。ルアーは大会を勝ち抜くことで入手でき、それぞれに異なる特性が設定されているため、戦略的な選択が釣果に直結する。

一方で、ボートによる自由移動が廃止され、ポイント制に変更されたことや、深場と浅場の切り替え演出の煩雑さ、ファイトの簡略化などが一部プレイヤーからは批判されており、シリーズの中でも評価が分かれる作品となっている。それでも、DSならではの操作性と手軽さ、通信対戦の楽しさを備えたタイトルとして、一定の支持を集めた。