『研修医 天堂独太2 〜命の天秤〜』は、タッチペンをメスやレーザーに見立てて執刀するスリリングな手術体験が魅力の医療アドベンチャーです。2005年10月20日にスパイクからニンテンドーDSで発売されました。

物語は、前作で多くの患者を救った青年医師・天堂独太が、最新の医療設備を誇る「聖命医大付属病院」へと転属するところから始まります。独太はそこで、前作以上に過酷な医療現場の現実に直面し、医師としての信念や倫理観を問われることになります。全6章からなる重厚なメインシナリオに加え、新たなヒロインである星野明日香や、独太のライバルとなる個性豊かな医師たちとの葛藤が描かれます。

手術パートはニンテンドーDSのタッチパネル機能を最大限に活用した設計です。患部をメスで切開し、ピンセットで異物を取り除き、レーザーで止血するといった一連の処置を、制限時間内に正確に行う必要があります。本作からは新要素として「テンションメーター」が導入されました。手術中のミスや進行状況によって独太の精神状態が変化し、操作の難易度や手術の結果に直接影響を与えるため、冷静かつ迅速な判断が常に求められます。

診断パートでは、患者との対話やレントゲン写真の分析を通じて病状を特定します。適切な治療方針を選択することで手術を有利に進めることができ、時には複数の患者の命を秤にかけるような、サブタイトル「命の天秤」を象徴する究極の選択を迫られる場面も存在します。マルチエンディング方式を採用しており、プレイヤーの決断一つで患者の運命や物語の結末が大きく左右される、緊張感のあるゲームデザインが貫かれています。

おまけ要素として、短時間で手術の腕を磨ける「手術トレーニング」や、ゲーム内の用語を確認できる「医学事典」も搭載されています。前作で好評だった直感的な操作感はそのままに、心臓移植などの高度な医療処置も追加され、医療現場の臨場感とドラマ性がより高い次元で融合した一作に仕上げられています。

『研修医 天堂独太2 〜命の天秤〜』は、スパイク(現スパイク・チュンソフト)がニンテンドーDSの普及期に展開したオリジナル医療ドラマシリーズの第2弾です。医師としての成長と、患者一人ひとりの人生に深く切り込むシナリオは、本格的な医療アドベンチャーの先駆けとして評価されました。

研修医 天堂独太