『パワポケ甲子園』は、2005年8月4日にコナミからニンテンドーDS向けに発売された高校野球育成シミュレーションゲームです。パワポケシリーズの外伝的な位置づけで、シリーズ初のDS作品として登場しましたが、後年には公式シリーズから除外されるなど、やや異色の存在となっています。

本作のメインモードは「甲子園モード」で、プレイヤーは全国931校から1校を選び、キャプテンとしてチームを率いて春夏の甲子園優勝を目指します。従来の「サクセスモード」とは異なり、ストーリー性はほとんどなく、部員全体を育成することに特化した構成です。練習やスカウト、フリータイムなどのコマンドを駆使しながら、選手の能力やチームの士気を高めていきます。

育成システムは非常に自由度が高く、野手・投手の区別なく能力を伸ばせる一方で、特殊能力の取得がほぼイベント頼りであるなど、極端に運に左右される設計が特徴です。また、試合数が最大29試合に及ぶなど、育成期間が非常に長く、1周にかかる時間も膨大です。そのため、やり込み要素は豊富ながら、リプレイ性にはやや難があるとされました。

試合部分は『パワポケ6』をベースにしており、実況やウグイス嬢のアナウンスがシリーズで初めて導入された点も注目されました。また、外野手のポジションがレフト・センター・ライトに分かれているなど、細かなリアリズムも追求されています。

ただし、ゲームバランスには課題が多く、特に甲子園決勝戦の難易度が極端に高いことや、彼女候補の攻略が運任せであることなどがプレイヤーから指摘されました。そのため、シリーズファンの間でも評価が分かれる作品となっています。