『探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件』は、元気が開発・発売したニンテンドーDS用の推理アドベンチャーゲームです。本作は、携帯アプリで展開されていた『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズの初のコンシューマ向け作品であり、完全新作として2005年にリリースされました。プレイヤーはゲームシナリオライター・生王正生となり、探偵・癸生川凌介とその助手・白鷺洲伊綱と共に、現実と仮想が交錯する奇妙な殺人事件の真相を追います。

物語は、MMO型推理ゲーム「ミスティ・オンライン(MO)」のβテスト中に発生した仮想事件と、現実世界で同時刻に起きた殺人事件がリンクするという異常事態から始まります。プレイヤーはDSのタッチスクリーンを活用して、現場の調査や人物との会話を進めながら、事件の背後に潜む真犯人とその動機を解き明かしていきます。システム面では、ほぼすべての操作がタッチペンで行える設計となっており、直感的な捜査が可能です。

本作の特徴は、少年犯罪や少年法といった社会的テーマを扱っている点にあります。物語終盤では、加害者の心理や法制度に対する探偵の見解が展開され、プレイヤーに問題提起を行う構成となっています。また、シリーズ特有の「探偵の助手のさらに助手」という視点から物語が進行するため、推理の主導権は癸生川と伊綱にあり、プレイヤーは観察と理解を通じて真相に迫る形式が採用されています。