『ヴァルプルガの詩』は、死者と生者の境界が曖昧になる「ヴァルプルギスの夜」を巡る、ゴシック・ファンタジー・アドベンチャーゲーム。2015年12月23日にプロトタイプからPlayStation PortableおよびPlayStation Vitaで発売されました。本作は、2015年3月にPCゲームブランド3Daisyから発売された同名タイトルのコンシューマー移植版です。山岳地帯に閉ざされた街「塞ノ市(さいのいち)」を舞台に、平穏な日常を送っていた少女・泉詩生(いずみ しお)が、突如として現れた人ならざる者たち――吸血鬼や人狼の争いに巻き込まれ、命を懸けた恋と過酷な運命に立ち向かう物語が展開されます。
ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなアドベンチャー形式です。プレイヤーの選択によって、主人公を守ろうとする人狼の双子や、主人公に執着する謎の吸血鬼、そして兄である泉蘇芳といった攻略対象キャラクターとの好感度が変化し、個別のエンディングへと到達します。PSP/PS Vita版では、PC版のオリジナルスタッフである原画家のスズケン氏とシナリオライターのトム氏による新規シナリオやイベントCGが追加されており、物語の深みが増しています。また、PS Vita版ではタッチスクリーン操作や色合い調整機能が実装され、高解像度のグラフィックで美麗なイラストを堪能することが可能です。
本作の特徴は、ヨーロッパの伝承をベースにした重厚かつシリアスな世界観と、死と隣り合わせの緊迫した恋愛描写です。美しくも残酷な怪異たちが跳梁跋扈する中で、主人公が自身の出生の秘密や街に隠された因縁を知り、絶望的な状況下で愛を育む姿が描かれています。柿原徹也氏、小野友樹氏、小野賢章氏、平川大輔氏といった豪華声優陣による演技が物語を盛り上げ、甘いロマンスだけでなく、血と狂気に彩られたゴシックホラーとしての側面も色濃く反映された作品となっています。
原作となるPC版を制作した3Daisyは、『三国恋戦記〜オトメの兵法!〜』のスタッフが再集結して設立されたブランドです。スズケン氏の描く繊細で妖艶なキャラクタービジュアルは本作の大きな魅力となっています。ゴシックホラーや吸血鬼伝説に興味を持った方は、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』や、吸血鬼を題材にした古典文学を読むことで、本作の背景にある耽美で退廃的な世界観をより深く理解することができます。













コメントを追加