『Enkeltbillet(エンケルトビレット)』、2014年7月31日にアイディアファクトリー(オトメイト)から発売されたPlayStation Portable対応の女性向け恋愛アドベンチャーゲーム。北欧への卒業旅行でトラブルに見舞われた主人公が、異国の地で言葉の壁や困難に立ち向かいながら恋と成長を遂げる、旅情あふれるトラベルロマンス作品となっています。
物語の主人公・岡沢美鳥(名前変更可能)は、友人と共に10日間の北欧クルージングツアーに参加しますが、空港ではぐれてしまい、英語も話せないまま見知らぬ土地で一人取り残されてしまいます。所持金も心許ない絶体絶命の状況下で、彼女は現地で出会う少し変わった日本人や外国人男性たちの助けを借りながら、アルバイトをして旅費を稼ぎ、自力で旅を続けることになります。
本作の最大の特徴は、海外旅行ならではの「不自由さ」と「発見」をゲームシステムに落とし込んでいる点です。会話イベントのみで進行する「ストーリーモード」に加え、マップを探索してクエストやアルバイトをこなす「コンプリートモード」が搭載されており、プレイヤーは現地での生活を擬似体験できます。言葉が通じないもどかしさや、異文化交流の難しさを乗り越えた先にある達成感、そしてトラブル続きの旅の中で育まれる特別な絆が描かれます。
『華ヤカ哉、我ガ一族』などのシナリオを手掛けた高木亜由美氏とイチカラムによる制作で、単なる甘い恋愛劇にとどまらない、ビターで人間味あふれるドラマが展開されます。
本作は、オトメイトとゲーム開発会社イチカラムの共同制作による完全オリジナル作品です。シナリオライターに高木亜由美氏を迎え、海外旅行という非日常的なシチュエーションの中で、自立していく主人公の姿を描いています。PSP後期の隠れた名作として、その独特のゲーム性とリアリティのある心理描写が評価されています。












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