『ハートの国のアリス』シリーズは、ルイス・キャロルの児童文学をモチーフにしつつ、マフィアや軍隊が抗争を繰り広げる殺伐とした世界を描くファンタジー・恋愛アドベンチャーゲーム。家庭用ゲーム機向けには、まず2008年09月18日にプロトタイプからPlayStation 2で移植版が発売され、2009年にはPSP版も登場しました。その後、開発元のQuinRoseから、全CGの刷新や新ルートを追加したリメイク版『ハートの国のアリス・アニバーサリーVer 〜Wonderful Wonder World〜』が2011年07月28日にPSPで発売され、さらに2014年05月29日には、その後の物語を描くファンディスク『ハートの国のアリス 〜Wonderful Twin World〜』も発売されています。白ウサギに連れ去られ、無理やり薬を飲まされて帰れなくなった主人公アリス=リデルが、銃弾飛び交う「不思議の国」での滞在を経て、この世界の常識や住人たちと向き合っていく物語が展開されます。
ゲームプレイは、全200ターン(時間帯)の中で行動を選択するターン制のシミュレーション要素を含んだアドベンチャー形式です。プレイヤーは「ハートの城」や「帽子屋屋敷」などの領土から滞在場所を選び、そこを拠点に各キャラクターを訪問して好感度を上げます。『アニバーサリーVer』では、オリジナル版では不可能だった「非滞在ルート」が追加され、敵対組織のキャラクターとも恋愛関係を結ぶことが可能になりました。また、ファンディスクの『Wonderful Twin World』では、時間帯の概念を残しつつシステムが簡略化され、精神を狂わせる「クレイジー・ストーム」や新キャラクターの登場によって混乱する世界での新たなエピソードが描かれています。
本シリーズの独自性は、「死んでも代わりはいる」というこの世界の住人たちが持つ冷徹で独特な死生観と、それに反発しながらも惹かれていく主人公の葛藤を描いたシナリオにあります。マフィアのボスである帽子屋ブラッドや、残虐なハートの女王ビバルディといった危険なキャラクターたちが、豪華声優陣によるフルボイスで演じられます。リメイクやファンディスクを通じて、グラフィックの強化やシナリオの大幅な加筆が行われており、毒を含んだ甘く背徳的な世界観を多角的に深く味わえる構成となっています。
開発元のQuinRose(クインロゼ)は、本作の大ヒットにより「アリスシリーズ」という一大ジャンルを確立しました。童話をダークファンタジーとして再解釈した世界観や、一筋縄ではいかないキャラクター造形は多くのファンを魅了し続けています。シリーズの原点や、キャラクターたちの詳細な設定に興味を持った方は、公式ファンブックやコミカライズ作品を参照することで、その迷宮のような物語世界をより深く理解することが可能です。













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