『黒雪姫〜スノウ・ブラック〜』は、グリム童話「白雪姫」をモチーフにしつつ、毒を含んだ独自の解釈で描くファンタジー・恋愛アドベンチャーゲーム。2014年04月24日にQuinRoseからPlayStation Portableで発売されました。物語の主人公・リヴは、その美しさゆえに「白雪姫」と呼ばれていたトレゾア王国の姫君。しかし、宰相ルヴィアンの反乱によって国を奪われ、家族を皆殺しにされた挙句、塔に幽閉されてしまいます。3年の時を経て城から脱出した彼女は、森の奥深くにある「迷いの森」へと逃げ込み、そこで出会った「七人の同盟者」と共に、奪われた自国を取り戻すための復讐劇を開始します。
ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなノベル形式で進行します。プレイヤーは主人公の視点を通じて、個性的な男性キャラクターたちと交流し、協力関係を築いていきます。攻略対象となるのは、童話における「七人の小人」に相当する「七人の同盟者」たちですが、彼らは一癖も二癖もある美青年たちであり、それぞれが異なる思惑で動いています。選択肢によって彼らとの親密度が変化し、復讐の行方や主人公の運命が大きく異なる複数のエンディングへと分岐します。
本作は、QuinRose作品特有の「毒」のあるシナリオと、強烈なキャラクター設定が特徴です。主人公を追い詰める「女王」の正体が実は女装した元宰相の男性であったり、主人公自身もただ守られるだけの姫ではなく、自身の美貌を武器に男たちを利用して生き抜こうとする強かな性格であったりと、童話のイメージを覆すダークな展開が繰り広げられます。CERO:D(17才以上対象)の作品らしく、甘い恋愛だけでなく、執着や狂気、そして殺伐とした争いが描かれており、綺麗事だけでは済まされない大人のメルヘンとして構築されています。
開発元のQuinRose(クインロゼ)は、童話を大胆にアレンジした作風で乙女ゲーム界に一石を投じたブランドです。本作もその系譜に連なる作品であり、一筋縄ではいかない物語を好む層から支持されました。グリム童話の原典が持つ残酷性や、本作のモチーフとなった「白雪姫」の解釈に興味を持った方は、初版のグリム童話や、それを題材にした解説書などを読むことで、メルヘンの裏側に潜む闇をより深く知ることができます。













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