『ダイヤの国のアリス 〜Wonderful Wonder World〜』は、ルイス・キャロルの児童文学をモチーフにしたダークファンタジー乙女ゲーム「アリスシリーズ」の1作。2012年12月20日にQuinRoseからPlayStation Portableで発売されました。その後、2013年07月25日には続編となる『ダイヤの国のアリス 〜Wonderful Mirror World〜』が同機種で発売されています。これまでのシリーズ(ハート、クローバー、ジョーカー)とは異なる「ダイヤの国」への引っ越しを描いており、主人公アリス=リデル以外の住人たちがアリスに関する記憶を持っていなかったり、あるいはアリス自身が彼らを知らなかったりする、人間関係がリセットされた孤独な状況から物語が始まります。
ゲームプレイは、全編を通してターン制のスケジュール管理システムを採用しています。プレイヤーは「ダイヤの城」「帽子屋屋敷」「墓守の領土」「駅」といった4つの領土から滞在場所を選び、限られたターン数の中で各キャラクターの元を訪問して交流を深めます。訪問によって好感度が上昇し、特定の条件を満たすことでイベントが発生、個別のエンディングへと分岐する仕組みです。『Wonderful Mirror World』では、本編とは異なる時間軸や状況下での物語が展開され、新たな側面からキャラクターとの関係性が描かれています。
本作は、シリーズ特有の「銃弾飛び交う殺伐とした世界観」を維持しつつ、既存のキャラクターが子供の姿で登場したり、大人の姿のままアリスを忘れていたりといった「if」の要素が強く押し出されています。新キャラクターとしてダイヤの女王クリスタや黒ウサギのシドニーなどが登場し、これまでの常識が通用しない新たな人間関係が構築されます。豪華声優陣によるフルボイス演出が、毒を含んだ哲学的な会話劇や、切なくも歪んだ恋愛模様を鮮やかに彩っています。
開発元のQuinRose(クインロゼ)は、童話を大胆にアレンジした作風で乙女ゲーム界に一大ムーブメントを巻き起こしたブランドです。本作『ダイヤの国のアリス』は、シリーズの中でも特に「変化」や「固定された時間」といったテーマに深く切り込んだ作品として知られています。アリスシリーズの複雑な世界設定や、モチーフとなったキャラクターの原典に興味を持った方は、公式ファンブックやルイス・キャロルの原作小説を参照することで、物語の深層にある意図をより詳しく考察することが可能です。













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