『討鬼伝』は、2013年にコーエーテクモゲームスがPSPとPS Vita向けに同時発売した和風ハンティングアクションです。無双シリーズで知られるオメガフォースが開発を手がけ、巨大な“鬼”との戦いを描く完全新作として注目を集めました。発売後は続編『討鬼伝 極』や『討鬼伝2』へと展開し、部位破壊やミタマシステムなど独自の要素がシリーズの核となりました。

プレイヤーは「モノノフ」と呼ばれる戦士として、異形の鬼を討伐する任務に挑みます。鬼の体の一部を断ち切る「部位破壊」が攻略の鍵となり、破壊後に「鬼祓い」を行うことで素材を入手できます。武器は太刀、弓、手甲など多彩で、それぞれに固有アクションが用意されており、戦術の幅が広がります。最大4人でのアドホック通信による協力プレイにも対応しており、仲間との連携が鬼討ちの醍醐味を高めます。

物語は、異界の出現によって鬼が溢れ出した世界を舞台に、ウタカタの里に配属された新米モノノフの成長を描きます。歴史上の英雄の魂「ミタマ」を武器に宿すことで、特殊能力「タマフリ」が発動し、戦闘スタイルに応じたスキル構成が可能となります。NPCとの絆や、鬼との死闘を通じて、プレイヤーは人の世を守る使命を果たしていきます。

PSP版はUMDによるパッケージとダウンロード版が展開され、PS Vita版とのクロスプレイにも対応しています。PSPではグラフィックや操作性が簡素ながらも、部位破壊の爽快感やミタマ育成の奥深さがしっかりと再現されており、携帯機での本格ハンティングアクションとして高い完成度を誇ります。