『十三支演義 〜偃月三国伝〜』は、2012年にPlayStation Portable向けに発売された恋愛アドベンチャーゲームです。本作は、オトメイトとREDの共同制作による作品であり、中国の古典『三国志』をベースにしながらも、猫族という架空の種族を中心に据えた独自の世界観が展開されます。プレイヤーは猫族と人間の混血である少女・関羽を主人公として操作し、戦乱の世を生き抜く中で複数の武将たちとの関係性を築いていきます。

物語は、猫族の隠れ里が曹操軍によって発見され、猫族が人間の戦争に巻き込まれるところから始まります。関羽は劉備や張飛と兄妹のように育ち、猫族の中でも高い武力を持つ存在として描かれています。登場キャラクターには、曹操、夏侯惇、趙雲、張遼などの三国志に登場する武将が猫族や人間として登場し、それぞれに攻略ルートが用意されています。シナリオは広井王子が原案を担当し、主題歌は植松伸夫が作曲を手掛けるなど、豪華な制作陣が参加しています。

ゲームシステムには「桃園システム」や「介入システム」「タイミングシステム」などが導入されており、物語の分岐や戦闘演出に影響を与える要素として機能します。また、フルボイス対応により、登場人物の感情や関係性がより深く描写されています。後に続編『十三支演義 偃月三国伝2』が発売され、さらにPS Vita版やNintendo Switch版として1・2作を収録した移植版も展開されています。