『おもちゃ箱の国のアリス 〜Wonderful Wonder World〜』は、銃弾飛び交う不思議の国を舞台にした恋愛アドベンチャーゲーム「アリスシリーズ」初となるファンディスク。2011年12月22日にQuinRoseからPlayStation Portableで発売されました。本作は、原作である『ハートの国のアリス』の設定をベースにした「原作バージョン」と、同社の別作品『魔法使いとご主人様』の設定を取り入れたパラレルワールド「魔法学校バージョン」の2つの世界観を収録しています。主人公のアリス=リデルは、それぞれの世界で個性的なキャラクターたちと交流し、既存の恋人関係の延長や、新たな設定でのドタバタ劇を繰り広げます。
ゲームプレイは、画面に表示されるテキストを読み進め、選択肢によって物語を分岐させるノベル形式で進行します。これまでのシリーズ作品に見られたターン制や訪問システムは排除されており、純粋にシナリオを楽しむことに特化した仕様となっています。収録されているシナリオは26本以上におよび、メインキャラクター全員に個別のルートとエンディングが用意されています。魔法学校バージョンでは、キャラクターたちが生徒や教師といった役割を演じ、制服やファンタジー風の衣装に身を包んだ姿で登場します。
本作は、シリーズのファンに向けた「おもちゃ箱」のようなバラエティ豊かな内容が特徴です。原作バージョンでは、滞在する領土ごとのショートストーリーや、サブキャラクターとのエピソードが補完されています。一方、魔法学校バージョンでは、魔法が飛び交う学園生活という全く異なるシチュエーションで、キャラクターたちの新たな一面や関係性が描かれています。多数のイベントCGや書き下ろしシナリオが収録されており、シリアスからコメディまで幅広い物語を堪能できるボリュームのある一作として構成されています。
開発元のQuinRose(クインロゼ)は、童話をモチーフにした乙女ゲームで独自の世界観を築いたブランドです。本作のようなパロディやクロスオーバーは、同ブランドの作品群における楽しみの一つでした。アリスシリーズの原点や、モチーフとなったキャラクターの元ネタに興味を持った方は、ルイス・キャロルの原作小説や、シリーズの公式ファンブックなどを参照することで、物語の背景にある設定をより深く理解することが可能です。













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