『クリムゾン・エンパイア〜Circumstances to serve a noble〜』は、2011年にQuinRoseよりPlayStation Portable向けに発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲームです。PC版・PS2版からの移植作品であり、フルークハーフェン大陸シリーズの一作として、同社の『魔法使いとご主人様』『アラビアンズ・ロスト』と世界観を共有しています。主人公は第二王子付きのメイド長兼護衛頭・シエラ=ロザンで、王位継承争いの渦中で忠誠と恋愛の狭間に揺れる物語が展開されます。

ゲームはターン制のシミュレーション要素を含み、戦闘・社交・贈答・工作などの行動を通じて攻略対象との好感度や貴族・民衆の支持率を高めていく構成です。全240ターンの中でイベントを発生させ、複数のエンディングに到達することが可能です。攻略対象は王族・侍従・貴族・魔法使い・悪魔など多岐にわたり、主人公の過去や忠誠心が物語に深みを与えています。PSP版ではUIの最適化や一部演出の調整が施され、携帯機向けに快適なプレイ環境が整えられています。

また、続編『クリムゾン・ロワイヤル』では王位争いの決着後、恋人となったキャラクターとの日常が描かれ、より恋愛要素に特化した構成となっています。漫画・小説・ドラマCDなどのメディア展開も行われており、シリーズファンに向けた世界観の拡張が図られています。主人公の視点から描かれる政治的駆け引きと恋愛模様が融合した本作は、QuinRose作品の中でも特に重厚な設定を持つタイトルです。