『Princess Frontier Portable』は、王国の騎士叙任式で大失態を演じ、辺境の村へと左遷された青年リュウ・ドナルベインのドタバタな日常を描いた恋愛アドベンチャーゲームです。必要以上に空気が美味く緑豊かな「ポルカ村」の国境警備隊長に就任した彼のもとへ、左遷の原因となった男装の王女アルエまでが家出をして転がり込んできます。剣と魔法が存在するファンタジー世界でありながら、深刻な争いや重苦しい展開は控えめで、のどかな田舎村で繰り広げられる明るく賑やかな共同生活が展開されます。
ゲームはテキストを読み進め、物語の途中で提示される選択肢によって各ヒロインの結末へと分岐していくオーソドックスなノベル形式を採用しています。前半はアクの強い村人やヒロインたちと過ごすコメディタッチの共通ルートが展開され、後半は意中の相手と心を通わせていく個別ルートへと移行します。SDキャラクターを用いた多彩なカットイン演出が会話劇のテンポを引き立てており、笑いと純愛のバランスが取れた心地よいプレイフィールをもたらします。
PC向けに発売された原作をPSPへ移植するにあたり、完全新規のヒロインとして隣国のお姫様「モニカ」と、彼女を護衛する女騎士「ウィルマ」が攻略対象に追加されました。それに伴い、メインヒロインであるアルエのシナリオに新キャラクターたちも巻き込んだ大団円「アルエグランドルート」が新たに実装されています。原作の原画家である瀬之本久史氏による新規イベントCGの追加や、奥井雅美氏が歌う専用オープニングテーマの収録など、携帯機の手軽な環境のもとで物語をさらに広く深く拡張した完全版としての役割を果たしています。
PCゲームブランド「AXL」が手掛け、ファンタジー設定とブランド特有のギャグテンポを見事に融合させて支持を集めた名作のコンシューマー移植版です。主人公が「エリート街道から転落して田舎へ飛ばされる」という落差の激しい導入から始まり、ヒロインたちの愛らしいギャップを引き出す手堅いシナリオが当時のプレイヤーの心を掴みました。コンシューマー移植に際して、斎藤千和氏や能登麻美子氏といった人気声優を起用した新キャラクターを追加するという豪華な采配が話題を呼び、媒体を超えて温かな笑いと癒やしを提供し続けるタイトルとして愛されています。













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