『星空☆ぷらねっと one small step for…』は、かつて宇宙飛行士を夢見ていた青年と、彼を取り巻くヒロインたちが織りなす再会と再生の物語を描く恋愛アドベンチャーゲーム。2011年03月10日にサイバーフロントからPlayStation Portableで発売されました。本作は、2000年にD.O.から発売されたPCゲーム『星空☆ぷらねっと』のコンシューマー移植版であり、シナリオライター・山田一(田中ロミオ)氏の手による「山田一三部作」の一つに数えられる作品です。ある事件をきっかけに夢を諦め、街を離れていた主人公・今井正樹が、7年ぶりに故郷である「天美市」へと戻り、幼馴染たちとの交流を通じて止まっていた時間を動かし始めます。

ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなアドベンチャー形式です。PSP版の最大の特徴は、原作者である山田一氏本人が既存のシナリオをリライトし、さらにPC版では収録されなかった未公開シナリオを補完している点です。これにより、単なる移植に留まらない「完全版」としての深みが増しています。また、イベントグラフィックも多数追加され、演出面が大幅に強化されました。ヒロインたちとの甘い日常だけでなく、過去のトラウマや人間関係の軋轢といったシリアスなテーマも描かれ、プレイヤーの心を揺さぶるドラマが展開されます。

本作の独自性は、PC版(無印)から原画を雨衣ユイ氏に一新し、音楽に元「THE GOOD-BYE」の野村義男氏を起用している点です。ポップで親しみやすいキャラクタービジュアルと、野村氏によるキャッチーなサウンドが、青春群像劇としての側面を鮮やかに彩ります。幼馴染との再会、新たな出会い、そして失った夢への再挑戦。星空の下で繰り広げられる等身大の人間ドラマを、携帯機でじっくりと堪能できる一作となっています。

本作のシナリオを担当した山田一氏は、現在は田中ロミオ名義でライトノベル作家としても活躍しています。彼の描く、シニカルでありながら温かい人間描写や、独特の台詞回しは「ロミオ節」として多くのファンに支持されています。本作のテーマである「夢」や「挫折」に共感した方は、氏の代表作である『人類は衰退しました』などの小説を読むことで、その作家性の奥深さをより味わうことができます。

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

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