『ヴィーナス&ブレイブス〜魔女と女神と滅びの予言〜』は、2011年にPSP専用タイトルとして登場した群像ドラマチックファンタジーRPGです。2003年にPS2で発売された同名作品の移植版であり、新要素の追加とグラフィックの最適化によって、携帯機でも壮大な物語を体験できる構成となっています。発売後は、戦闘システムの独自性と世代交代による物語演出が高く評価され、隠れた名作として語り継がれています2。

プレイヤーは、不老不死の騎士団長ブラッドとして、100年後に訪れる「滅びの予言」を回避するため、仲間と共に魔物討伐の遠征を繰り返します。戦闘は「ローテーションバトルシステム」を採用し、前・中・後列の隊列をターンごとに入れ替えることで、攻撃・回復・補助の役割を調整します。敵の行動パターンやダメージ量は予測可能で、詰め将棋のような戦略性が求められます。とどめを刺したキャラが成長する仕組みや、好感度によるイベント発生など、配置と行動の選択が物語と戦力に直結します。

物語は、仲間たちが恋に落ち、結婚し、子を成し、やがて老いて死んでいくという100年の時の流れを描きます。団員は年齢によって能力が変化し、世代交代を繰り返しながら騎士団を維持していきます。ブラッドだけが不老不死であり、彼の視点から仲間の生涯を見届けることで、出会いと別れの重みが深く刻まれます。子や孫が再び仲間になる展開もあり、血と絆が物語を紡ぎます。

PSP専用タイトルとして、携帯機での長期的な戦略と物語体験を実現した本作は、戦闘と人間模様が融合した稀有な作品です。『7〜モールモースの騎兵隊〜』の流れを継ぎつつ、より深いドラマとシステムを構築し、プレイヤーに長く寄り添う物語を届けます。

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