『ナルキッソス〜もしも明日があるなら〜Portable』は、ホスピス(終末期医療施設)を舞台に、死を目前にした者たちの最期の旅路を描くノベルアドベンチャーゲーム。2010年6月24日に角川書店からPlayStation Portableで発売されました。
本作は、同人サークル「ステージなな」が制作し、インターネット上で公開されて大きな反響を呼んだPC用ノベルゲーム『narcissu(ナルキッソス)』シリーズのコンシューマー移植版であり、集大成となる作品です。収録されているシナリオは、初代『narcissu』、その過去を描く『narcissu SIDE 2nd』に加え、シリーズ完結編となる完全新作『narcissu 3rd -Die Dritte Welt-』の3本が柱となっています。
物語の主人公たちは、病院の7階にあるホスピスに入院し、死を待つだけの生活を送っています。しかし、彼らは病院のルールや「自宅で死ぬか、病院で死ぬか」という二択を拒絶し、車を奪って当てのない旅に出ます。ゲームシステムは選択肢のほとんど存在しない一本道のビジュアルノベル形式を採用しており、淡々としたテキストと美しい背景、そして感情を揺さぶる音楽によって、彼らが見た景色と心の機微が綴られます。PSP版では、豪華声優陣によるフルボイス化が実現しており、主人公・阿東優やヒロイン・セツミたちの言葉が、より生々しくプレイヤーの心に響きます。
本作は「死」という不可避な結末を扱っていますが、決して絶望だけを描いた作品ではありません。冬の海や淡路島の水仙畑といった美しい情景の中で、彼らが何を感じ、何を残そうとしたのか。その問いかけは、プレイヤー自身の死生観にも静かに語りかけてきます。ここでは、シリーズのアートワークや設定資料、原作者・片岡とも氏による書き下ろし小説などを収録したビジュアルファンブックを紹介します。彼らの旅の記録を手元に残し、その想いを反芻してみてはいかがでしょうか。
ナルキッソス ビジュアルファンブック [書籍]













コメントを追加