『銀星囲碁PORTABLE』は、世界コンピュータ囲碁大会での優勝実績を持つ強力な思考エンジンを搭載した本格囲碁シミュレーションです。2010年5月20日にシルバースタージャパンからPlayStation Portableで発売されました。

搭載されている思考エンジンは、世界大会で6度の優勝を果たしたアルゴリズムに基づいています。携帯ゲーム機においてアマチュア有段者に匹敵する棋力を実現しており、思考レベルはプレイヤーの習熟度に合わせて5段階に調整できます。19路盤の対局においても、ハードウェアの性能を活かした高速な読みにより、待ち時間の少ないスムーズな進行を維持しています。

学習用コンテンツとして、国際囲碁大学の教本をベースにした2,000問以上の「囲碁教室」を収録しています。石の取り方といった基礎知識から、死活、手筋といった実戦的な課題まで、説明と問題を組み合わせた形式で段階的に習得可能です。これは単なる問題集ではなく、初心者が独学で初級から中級レベルへステップアップすることを目的としたカリキュラムとして機能します。

対局を支援するガイド機能には、盤上の勢力圏を色分けして可視化する「リアルタイム地合表示」や、コンピュータが最適と思われる次の一手を提示する「ヒント機能」が含まれます。アタリを警告する表示や、着手箇所を強調する演出など、携帯機の画面サイズに配慮した視覚的なサポートが随所に施されています。盤面は19路、13路、9路、さらには入門用の6路盤から選択可能です。

棋譜管理機能では、メモリースティックに最大99個までの棋譜データを保存できます。保存した棋譜はいつでも再生して手順を検討できるほか、対局を途中で中断して好きな時に再開することもできます。1台のPSPを交互に操作する「2P対局」モードを備えており、外出先でも碁盤を用意することなく対人戦を行える実務的なツールとしても設計されています。

『銀星囲碁PORTABLE』は、1990年代よりPCや家庭用機で展開されている「銀星囲碁」シリーズの携帯機展開作品です。プロ棋士の思考をデジタルで再現することに特化した、シルバースタージャパンの看板タイトルの一つです。

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