『いつかこの手が穢れる時に -SPECTRAL FORCE LEGACY-』、2009年11月26日にアイディアファクトリーから発売されたPlayStation Portable対応の国盗りシミュレーションロールプレイングゲーム。魔族や人間など多種多様な種族が覇権を争う幻想世界「ネバーランド」を舞台に、40もの国家から自国を選び大陸統一を目指す、壮大かつ悲哀に満ちた戦記作品となっています。

本作は、同社の看板タイトルである『スペクトラルフォース』シリーズの原点回帰ともいえる作品です。プレイヤーは、聖少女ヒロや魔王の娘ジャドウといった個性的な君主たちの中から一人を選び、軍を指揮することになります。ゲームは月ごとに進行し、税の徴収や城壁の強化を行う「内政」や、他国との同盟・引き抜きを行う「外交」、そして敵国へ侵攻する「合戦」を繰り返しながら領土を拡大していきます。

最大の特徴は、プレイヤーが選ぶ国によって難易度や展開が劇的に変化する自由度の高さです。強大な軍事力を持つ大国で力押しするもよし、弱小国で知略を巡らせて大国を食らうもよし、千差万別の歴史を紡ぐことができます。戦闘では最大1000人の兵士が入り乱れる迫力の合戦シーンに加え、キャラクターごとの必殺技演出が戦場を華やかに彩ります。

タイトルが示唆するように、きれいごとだけでは済まない戦争の非情さや、覇道の果てにあるものを描いた重厚なドラマが展開されます。かつてのファンには懐かしく、新規プレイヤーには遊びやすいようにシステムが洗練されており、ネバーランド戦記の入門編としても適した一作です。

本作は、1997年にPlayStationで発売され、アイディアファクトリーの社名を世に知らしめた記念すべき第1作『スペクトラルフォース』をベースにしたリメイク作品です。基本的な時代設定や登場キャラクター、国盗りシミュレーションという骨子はそのままに、システムを刷新して遊びやすくし、グラフィックの向上や新規エピソードの追加が行われています。

原作:スペクトラルフォース