『ラチェット&クランク5 激突!ドデカ銀河のミリミリ軍団』は、2007年にPlayStation Portable向けに発売されたアクションゲームであり、シリーズ初の携帯機対応作品として位置づけられています。開発はインソムニアック・ゲームズの元スタッフによって設立されたHigh Impact Gamesが担当しており、従来の開発体制とは異なる構成が採用されています。2008年にはPlayStation 2への移植版も登場し、2024年にはPS4およびPS5向けにエミュレーション再発行が行われました。
物語は、主人公ラチェットと相棒クランクがバカンス中に出会った少女ルナの誘拐事件をきっかけに、銀河征服を企むテクノマイト文明の陰謀へと巻き込まれていく構成です。ルナは実はテクノマイトによって造られたロボットであり、ラチェットのDNAを採取するための罠として機能していました。物語は、クローン兵の量産、クランクの内部への潜入、そしてオットー皇帝との最終決戦へと発展し、シリーズ特有のユーモアとSF要素が融合した展開が描かれます。
ゲームシステムは、シリーズ伝統のガラメカ(武器)による戦闘と探索を中心に構成されており、武器のレベルアップやアーマーの組み合わせによる性能強化が導入されています。また、クランク単独での操作パートや、スカイボードによるレース、クランクチャレンジと呼ばれるミニゲームなど、多彩なプレイモードが用意されています。特定のステージでは昼夜の概念が導入され、敵の性質が時間帯によって変化するなど、演出面にも工夫が施されています4。
PSP版ではオンラインマルチプレイ機能が搭載されていましたが、PS2版では削除され、代わりにグラフィックと操作性の向上が図られています。2024年のPS4/PS5版では、アップレンダリング、巻き戻し、クイックセーブ、カスタム操作設定、トロフィー対応などの機能が追加され、現行機向けに最適化された構成となっています。シリーズの中でも異色の立ち位置を持つ本作は、携帯機向けタイトルとして高い評価を受け、累計販売本数は440万本を超える実績を記録しています。
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