『忍道 焔』は、闇に潜み敵を討つ忍の生き様を体感できる本格忍者アクションです。2006年10月26日にスパイクからPlayStation Portableで発売され、アクワイアが手掛ける『忍道』シリーズの携帯機向け作品として登場しました。

本作は、PlayStation 2で発売された『忍道 戒』の後日談を描く物語です。プレイヤーは記憶を失った忍・鴉のゴウをはじめとするキャラクターを操作し、小国「宇高多(うたかた)」を舞台に、さまざまな勢力から依頼される任務を遂行していきます。忍びとしての隠密行動が重視されており、敵に気づかれずに背後から仕留める「血殺」や、鉤縄を駆使した屋根裏への移動といった忍ならではの多彩なアクションが特徴です。

任務のバリエーションは豊富で、特定の人物の暗殺だけでなく、情報の奪取、仲間の救出、さらには集落の防衛など多岐にわたります。任務の成否によって宇高多を支配する大名たちの勢力図が変化し、物語の展開に影響を及ぼすシリーズ独自のシステムがミッション形式で展開されます。また、フィールド上のアイテムを調合して強力な煙玉や地雷を作り出す「調合」システムも継承されており、プレイヤー独自の戦術を組み立てることが可能です。

PSP版の大きな魅力は、操作可能なキャラクターが30種類以上に及ぶ点です。鴉のゴウやヒロインのキヌといった主要キャラクターはもちろん、任務中に遭遇する敵兵や町娘、さらにはクマなどの動物までもが使用可能となります。各キャラクターには個別のパラメータやアクションが設定されており、同じ任務でも操作キャラクターを変えることで全く異なる攻略法を楽しむことができます。

マルチプレイ機能として、最大4人までのアドホック通信に対応しています。他のプレイヤーと協力して任務に挑む「協力」モードや、互いの技術を競い合う「対戦」モードが用意されています。マップを自由に探索し、罠を仕掛けたり闇に紛れたりしながら忍同士の駆け引きを楽しむという、携帯機ならではの遊び方が提案されました。

『忍道 焔』は、アクワイアが開発した『忍道』シリーズの第2作目にあたります。前作『忍道 戒』で確立された「ステルス」と「箱庭アクション」の要素を継承し、携帯機向けにミッション形式を最適化したスピンオフ的な立ち位置の作品です。

忍道